近年、介護施設では入居者の安全確保や事故防止のための「見守りカメラ」の導入が急速に進んでいます。
日本総合研究所の調査によると、2024年時点で介護施設(※)の31.9%、ショートステイにいたっては40%が、入居者の行動を遠隔で確認できるカメラを設置していることが明らかになりました。
出典:日本総合研究所
※自治体の補助事業を活用しての見守り機器を導入した介護施設等
介護職員の負担軽減
見守りカメラが急速に進んだ背景の一つに、介護職員の不足が挙げられます。
急速に進む高齢化に伴い、介護施設の利用者数は今後もますます膨らんでいくことが予測されますが、それに介護職員数が追いついていないのが現状です。2025年には約32万人もの介護職員が不足(※)するとの推計データもあり、今後限られた職員数の中で入居者の安全を確保するためには、効率的かつ効果的な見守り体制が不可欠になります。
そんな中、見守りカメラは、夜間や休憩時間など職員の目が届きにくい時間帯でも継続的な監視を可能にし、介護職員の精神的・身体的負担を軽減するツールとして期待されているのです。
※ 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の将来推計について」
見守りカメラ導入によるメリット
職員の負担軽減策として期待されている見守りカメラですが、そのメリットは職員のみならず、入居者やその家族にも及びます。
ここからは、それぞれにとって具体的にどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
転倒・転落などの事故の早期発見と再発防止対応
見守りカメラは職員数が手薄になる夜間であっても、遠隔確認によってベッドからの転落や居室内での転倒といった予期せぬ事故が発生した場合に瞬時に異常を検知できます。また、認知症の方が居室から無断外出し、施設内を徘徊するケース等にも素早く気づくことができます。
これにより、事故や徘徊発生時に迅速な駆けつけや適切な初期対応が可能となり、入居者の怪我の程度を軽減したり、重症化を防いだりする効果が期待できます。特に徘徊は転倒・骨折等のリスクが高まるだけでなく、行方不明になるなど重大な事故につながる恐れもあるため早期発見が何より重要です。
さらに、事故や徘徊が発生した場合の映像記録は、原因究明や再発防止策の検討にも役立てることができます。映像をもとに事故に至った経緯や直前の入居者の様子を詳細に分析することで、事故の未然防止や環境改善につなげていくことが可能です。
虐待やハラスメントの抑止力と映像証拠
見守りカメラの設置は、介護職員による入居者への虐待行為や、職員間のハラスメント発生、時には入居者による職員へのハラスメント発生をも抑止する効果が期待できます。
映像記録があることで、常に客観的な証拠が残される可能性があり、倫理観に基づいた適切なケアの促進が可能になります。また、万が一問題が発生した場合も、映像は迅速な事実確認と公正な対応のための有力な根拠となります。
特に、入居者の家族や第三者からの問い合わせがあった際に客観的な映像を示すことで、透明性の高い説明ができる点は大きなメリットでしょう。仮に職員の対応が問題視された場合には、映像が自身の潔白を証明する証拠にもなり得るため、不当なクレームや誤解から職員を守る効果も期待できます。
入居者家族の安心
介護施設に大切な家族を預けているご家族にとって、日々の様子を知ることは大きな関心事です。
見守りカメラの導入は、ご家族の安心につながる以下のようなメリットがあります。
①夜間など直接確認できない時間帯の安全性が高まる
夜間などご家族が直接様子を確認できない時間帯も、施設が見守りカメラで入居者の安全を確保していると分かればご家族の不安が和らぎます。緊急時の迅速な対応にも役立つため、施設への信頼もより一層深まります。
②ケアプランに活かせる
介護施設における見守りカメラは、利用者の生活状況や行動パターン、転倒・徘徊の発生状況、ADL(日常生活動作)の変化などを客観的に記録・分析できるため、ケアプラン作成や見直し時に活用することで、転倒防止や環境改善、職員配置の最適化など安全性と生活の質の向上につながり、プライバシー保護や同意取得などの運用ルールを徹底すれば、ICTを活用した質の高い介護サービスを実現できる重要なツールとなります。
KaigoDXなら低コストで高性能な見守りを実現

職員・入居者・入居者の家族それぞれにとって大きなメリットのある見守りカメラですが、費用やセキュリティ面、それに伴うトラブルなどへの懸念から、導入を踏みとどまっている施設も少なくありません。
“低コスト×使いやすさ×高性能”にこだわった見守りカメラ「KaigoDX」は、そんな不安を一気に解消します。
1台あたり月額1,200円の手軽さ
1台月額1,200円という低価格がKaigoDXの大きな魅力です。高性能な見守りシステムを、中小規模の介護施設でも手軽に導入いただけます。
さらに、柔軟なレンタルプランを用意することで導入ハードルをさらに低減できます。レンタルプランなら初期費用は無料となり、施設の予算状況に合わせて必要な台数を導入することが可能です。これにより、施設内に死角を作らずくまなく見守りを実現できます。
ランニングコストを気にせず、安心・安全な介護環境を整えられるのもKaigoDXの大きな強みと言えるでしょう。
24時間365日の映像記録で安心・安全
KaigoDXは、施設内の様子を24時間365日くまなく記録し、万が一の事故やトラブル発生時にも状況を正確に把握できます。映像はクラウド上に保存されるため、紛失や破損の心配もありません。
また、KaigoDXはIP制限の設定により許可されたIPアドレス以外からの不正なアクセスを防止できます。アクセス権限やダウンロード権限もユーザーごとに細かく設定できるため、セキュリティ面も万全です。
AIによる転倒・離設検知で事故を未然に防止
KaigoDXは、センサーを利用せずAIカメラ1つで様々な行動・異常をリアルタイムで検知できます。
入居者の無断離設、離室、転倒などを検知すると、職員のインカムやPCに即座に通知します。迅速な対応により、事故を未然に防ぎ重症化リスクを軽減します。
カメラは「ノーマルカメラ」「収音カメラ」の2種類で、1台ずつ必要な機能をカスタマイズできるため、コストを抑えつつ厚みのあるケアにご利用いただけます。
※転倒検知は2025年10月からご案内予定です。
使いやすさにこだわったシンプル設計
誰でも簡単に操作できるよう、シンプルなインターフェースを採用している点もKaigoDXの魅力の一つです。
AIによる異常検知時は、ポップアップと音声読み上げでリアルタイムに通知するため、すぐに状況を把握できます。また、検知時の映像は自動でリスト化されるため、忙しい介護の現場でも手間をかけずに振り返ることが可能です。
見守りカメラシステムの選定ポイント
介護施設のタイプやレイアウト、職員の人数、入居者の介護レベルによって最適なカメラは大きく変わってきます。単に機能が多いだけでなく、施設の状況に合致したシステムを選ぶことが何よりも重要です。
ここからは、それぞれの介護施設に適したカメラを見極めるためのポイントを解説します。ぜひ選定の参考にしてみてください。
夜間撮影への対応(赤外線機能の有無)
夜間の人員が手薄になりがちな介護施設や、慢性的な人手不足に悩まされている施設にとって、赤外線機能は必須の機能と言えるでしょう。
赤外線機能があれば、暗闇でも鮮明に入居者の様子を映し出せるため、ちょっとした変化や異変にも気づきやすくなります。これにより、夜間も隙のない見守りが可能になるのです。
加えて、AIによる異常検知機能が搭載されていれば、夜間の転倒やベッドからの離床などを自動検知し、職員に通知することも可能です。これにより、見守り体制を強化し、夜間の事故リスクを大幅に低減できます。
プライバシー保護機能
介護・福祉施設においてカメラを設置する際、国や自治体からの特別な許可は不要ですが、設置場所やカメラの画角が法的・倫理的に問題のない範囲であることが前提となります。
特にトイレや浴室といったプライバシー性の高い空間には、通常カメラを設置しません。
ただし、利用者の生命を守るなど特別な事情がある場合に限り、慎重に設置が検討されることもあります。
また、利用者の尊厳を守るためには、モザイク処理や映像の一部を隠す機能が搭載されたカメラを選ぶとより安心です。こうしたプライバシー保護機能があるカメラを導入することで、安心・安全な見守りが可能になります。
見守りAIカメラ「KaigoDX」はご希望に応じて、個人が特定されないようモザイク処理を施すことが可能です。(詳しくはこちら)
導入コストと運用負担
見守りカメラの導入には、初期費用だけでなく、月額利用料やメンテナンス費用といった運用費用も考慮する必要があります。予算と無理なく実現できる運用体制を考慮し、ランニングコストも含めたトータル費用で比較検討することが重要です。
また、システム設定や操作の複雑さも運用負担に直結するため、現場の職員が容易に扱える直感的で分かりやすいシステムを選ぶことが、導入成功の鍵となります。トライアル利用やデモ画面などで事前に操作性を確認するのも有効です。
見守りAIカメラ「KaigoDX」はシンプルで使いやすい仕様になっています。(詳しくはこちら)

KaigoDXの管理画面
運用ガイドラインの策定
介護施設における見守りカメラは、事故防止や虐待抑止など多くのメリットがある一方で、入居者のプライバシー侵害というデメリットも孕んでいます。
メリットを最大化し、デメリットを最小化するためには、設置場所の限定、入居者・家族への丁寧な説明と同意取得、データ管理の厳格化など、適切な運用ルールの策定と遵守が不可欠です。
本ガイドラインでは、そのための具体的な方策を示します。
入居者・家族への説明と同意の取得
見守りカメラによる入居者の撮影が適法とみなされるには、入居者とその家族から同意を得ることが大前提です。同意なく撮影した場合、個人情報保護法やプライバシー権の侵害に該当する可能性があり、施設側の法的責任が問われるリスクが生じます。
したがって、入居者とその家族から同意を得るためには、予め以下の要素を明確に説明し、十分な理解を得ることが重要です。
- カメラの設置目的
- 撮影対象となる場所
- 映像データの保存期間
- 閲覧可能な者の範囲
特に、要介護度が高い方や認知症のある方については、同意能力に配慮しつつ、家族への丁寧な説明を心がけるべきでしょう。
同意の取得は書面でおこない、いつでも撤回できる旨を伝えることが望ましいです。これにより、入居者とその家族の理解と納得を得た上で、見守りカメラを適切に運用することができます。
設置場所の限定
見守りカメラを設置する場所は、事故リスクの高い居室や共有スペース、廊下などに限定し、浴室やトイレといったプライバシー性の高い場所への設置は原則として避けるべきです。どうしても必要な場合は、個別同意を得た上で、限定的な期間や範囲での運用とするなどの最大限の配慮が求められます。
また、設置場所にはカメラ作動中であることを明示する表示を掲示するなど、入居者や訪問者が認識できるよう配慮したり、プライバシーゾーンマスキング機能など、特定のエリアを映さないように設定できる機能を持つカメラを選定したりすることも、プライバシー保護の観点から有効な手段となります。
映像データの適切な管理と取り扱い
撮影された映像データは重大な個人情報であり、厳重な管理が必要です。アクセスできる担当者を限定することはもちろん、パスワードによる保護や暗号化、保存期間の設定など、不正アクセスや漏洩を防ぐための技術的・組織的対策を講じなければなりません。
特に、保存期間を経過したデータは、速やかかつ確実に消去することが求められます。手動での消去忘れやシステム設定ミスによるデータ残留リスクを考慮し、自動消去機能を備えたシステムの導入や、定期的な監査の実施などの対策を多層的に講じることが重要です。
また、収集した映像データの利用目的は明確に定め、その目的外での利用を厳禁とすべきでしょう。データの複製や外部への持ち出しについても原則として禁止し、例外的に許可する場合も厳格な承認プロセスを経るようルール化が必須です。
見守りカメラに関する職員教育と運用体制の整備
見守りカメラが適切に運用され、最大限の効果を発揮するためには、やはり職員の意識改革と適切な知識・スキルの習得が不可欠です。
研修などを通じて、以下の内容を周知徹底し、全ての職員が共通認識を持って運用にあたれるような体制を構築することが極めて重要となります。
- カメラ設置の目的
- プライバシー保護の重要性
- 映像データの取り扱いに関するルール など
同時に、システムに問題が発生した場合の緊急連絡体制や、映像データに関するトラブル発生時の対応フローなど、具体的な運用体制を整備し、定期的に見直していくことも運用を成功させる上で不可欠です。
適切な運用とプライバシー配慮の両立が肝要
介護施設における見守りカメラは、適切に導入・運用することで、入居者の安全確保、職員の負担軽減、そしてご家族の安心に大きく貢献します。
ただし、その効果を最大限に引き出すためには、入居者一人ひとりの尊厳とプライバシー保護への深い配慮が不可欠です。透明性の高い情報提供と丁寧な同意取得、そして厳格なデータ管理体制の構築は、信頼される施設運営の基盤となります。
ぜひ本記事を参考に、カメラ設置のメリットとプライバシー保護のバランスを慎重に考慮し、関係者全員にとって満足のいくシステム構築を目指してください。